長野県佐久市、蓼科スカイラインを車で走らせると現れる、カラマツ林に囲まれた自然豊かな美笹別荘地。 地域の山々で育ったカラマツを1本1本自らの手で伐採・加工し、こだわりの薪づくりをしています。

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薪ストーブ(二次燃焼方式)の問題点

多発する苦情

二次燃焼方式が普及するとともに、薪を買いにくるお客から様々な苦情を聞かされます。「とにかく燃やしづらい。ストーブや室内が暖まるまで時間がかかりすぎる」「うまく燃やせない時は、前の扉を開けるように言われたがそうすると煙が室内に入ってくる」「燃やし始めに室内の窓を開けなければいけない」「勢いよく燃え上がっている炎を制御できず怖い思いをした」などです。

これらの苦情は薪を燃やすために最も重要なロストルがないストーブは増えているからでしょう。

完成域に達していた薪ストーブ

二次燃焼方式が登場する前は、どのメーカーも同じような外観で同じ構造でした。構造の中心となるのが格子状の穴があるロストルです。この上が燃焼室でガラス窓が付いた大きな扉を開けて薪を入れます。ロストルの下に灰の受け皿があります。小さな扉からこれを取り出します。また、この扉は空気の取り入れ口にもなっています。そして全てのメーカーが素材は鋳物でした。これは重量が重く蓄熱性に優れたストーブには最適だからです。

各メーカーは独自に安全で取り扱いやすく燃焼が良くてかつ暖房効果の高いストーブを目指したでしょう。その結果まったく同じ構造のストーブになってしまったのです。

これは薪ストーブが完成域に達してしまったことを意味しています。これ以上優れたストーブはないのです。

救世主の登場

新たな製品を出せない。残るは価格競争だけ。こんな状況がこの先ずっと続くと思ったとき、経営者達は暗たんたる気持ちになったことでしょう。

こうした中、20年ほど前二次燃焼方式が登場しました。そして「煙を燃やす」という宣伝文句がユーザーの心をとらえたのです。環境に優しく暖房効果も高いと錯覚させたのです。そした大ヒットしました。

これを目にした経営者の皆さんには救世主のように見えたでしょう。全員がこれに飛びついたのは必然だったでしょう。

薪ストーブに二次燃焼は無用

そもそも、二次燃焼は焼却炉のための技術なのです。焼却炉は一度に大量のゴミを燃やすので、酸素不足となり不完全燃焼を起こし煙を出してしまいます。このまま大気に放出することはできないので、煙だけを再度燃やす二次燃焼装置が必要となったのです。

一方薪ストーブの場合は、乾いた薪をロストルの上で燃やすのですから誰がやっても簡単に完全燃焼できます。しかも空気の取り入れを調整することでゴーゴーと音を立てて燃やすことから炎を鎮火させることまで自由自在にできます。二次燃焼は薪ストーブにとっても無用どころか弊害でしかないのです。

業界の方向転換

今、薪ストーブ店では以前のストーブを見ることはありません。素材は加工しやすい鋼板となり様々なタイプが並んでいます。大型化し豪華で高価な物ばかりです。これは業界全体が今までの安全で取り扱いやすく、そして経済的に優れた暖房器から高価なインテリアへと目指す方向転換をしたからです。

この転換は当然暖房機としての性能は落としているのですが、逆に新しい技術によって暖房効果を高めていると嘘を言っているのです。ユーザーを騙しているのです。

でたらめな宣伝文句

石油ストーブやガスストーブの性能を表す数値に最大◯◯kcal/Hと表示されていますが、これはメーカーが実際に計測した数値であり誰が使っても同じ結果になります。つまり計測した通りに再現できるから科学的に正しい数値となるのです。

しかし、薪ストーブの場合、メーカーが最大出力◯◯kcal/Hですと言っても燃料や燃やし方までまちまちですから、それを再現できないのです。要するに薪ストーブの場合は科学的に正しい数値はないのです。二次燃焼方式は排ガスをクリーンにするとか、燃焼効率をアップさせましたなどと言いますが、根拠のないでたらめです。どんなでたらめも強引に通してしまうのが薪ストーブの世界です。例えば「このストーブは世界一です」と言ったとしてもそれを否定することはできないのです。なぜならそのでたらめを証明する数値もないからです。

正しい薪の燃やし方

薪を燃やすときに一番注意しなければならないことは、燃やしすぎないことです。高温で燃やせば燃やすほど大量の熱量が無駄に煙突から外へ放出するされてしまいます。しかも、せっかく暖めた室内の空気も外へ出てしまうのです。ですから空気を絞ってできるだけ低い温度で燃やすことが大切です。

こうしますと、薪はメラメラとゆっくり燃えてゆきます。ストーブの前に座っても居心地はよく部屋全体もぬくもっています。ストーブの上のやかんのお湯は沸騰することなくコーヒーに最適な温度となっています。しかも燃費も良くなります。

しかし、このような燃やし方をするには、ロストルのある燃やしやすいストーブでなければできません。また良く乾いて燃えやすい薪でなければできません。

私は薪を製造販売しながらどのように燃やせば一番薪の使用量を少なくできるかを追求してきました。そして得た結論は「燃やしやすいストーブで燃えやすい薪を空気を絞ってゆっくり燃やすこと」です。

間違った薪の燃やし方

ロストルのない燃やしづらいストーブや太くて燃やしづらい薪の場合は前述の燃やし方は難しくなります。空気を絞ってゆっくり燃やそうとすればおそらく途中で火は消えてしまうでしょう。ですから販売店は一度にたくさんの薪を高温で燃やすよう勧めるのです。

こうすると前述とは真逆の結果になります。ストーブの前に立つと上半身はそこに居られないほど熱くなります。

しかし足元はストーブに大量の空気が吸い込まれているのでスースーしています。室内全体の温もりは感じないのです。燃費は悪く大量に薪を使うことになります。

ではどうすれば良いのか?まずは薪を細く割ってください。こうすれば薪に含まれる水分は相当除けますし、燃えやすくなり空気を絞っても大丈夫でしょう。水はその気化熱で薪が持っているエネルギーを確実に奪っています。1gでも減じることが肝要です。次にストーブ内の灰を綺麗に除くことです。

こうすることによって空気の流れを良くするのです。そして空気は薪の下からだけで入れるようにしてください。上から空気を入れるなどしないでください。空気の流れを乱し、燃えを悪くするだけです。しかも室内の空気を大量に外へ出してしまいます。

これらをやってもうまくいかない場合をストーブを買い替えることです。薪代を随分と減じるだけでなく、薪ストーブの本当の快適さが楽しめます。

もしあなたが本当に買い替えを検討しているならば私は、(株)ホンマ製作所のHTC-60TXをお勧めします。これは後で記述しますが、すばらしいストーブです。私は5年ほど前カインズホームで約8万円で買いました。もしあなたがこのストーブに買い替えたいと思い、その前に実際に燃えている所を見たいと思うならば、私の家のストーブで実演したいと思っています。下記へご連絡ください。

090-4462-7042(カンベ)

ストーブの温度管理

暖房効果を高めるために燃やしすぎに注意すべきだとしましたが、それだけではなく煙道火災を防止するためにも燃やしすぎてはいけません。

煙道火災とは、煙突の中に溜まったススが250℃以上の温度になると燃え出すことです。ススが少量であれば燃えてもらって結構なのですが、多量にあるとこれが一気に燃え出し、シングル煙突なら高温で赤くなるでしょうし、煙突トップからは火の粉が吹き出し危険な状態となります。

ですからストーブの温度を管理することは大変重要なのです。しかし多くの人はその意味や理由も分からずただ漠然と本体に温度計をつけて測っています。これは業者が温度管理の重要性を理解せず正しい温度計の使い方を指導していないからです。

アメリカのconder社がCHIMGARDという温度計を販売しています。この取説をによれば、ストーブトップから30cm上の煙突にキリなどで小さな穴を開けてから付属のネジで固定するように言っています。そして110℃〜245℃の範囲で燃やすように言っています。245℃を超すと煙道火災の危機があるとのことです。

私はこの温度計を見ながら空気を調整しています。こうすることで薪の使用量をだいぶ減らせます。ちなみに私が通常燃やしている時の温度は130℃〜150℃です。

二次燃焼方式の悪影響

10年ほど前、ある時一斉にそれまで室内はシングル煙突だったのですが、断熱材を巻いた二重煙突にしだしたのです。

ユーザーには安全のためなどと言っていたのですが、実はロストルのないストーブは燃えが非常に悪いため少しでも煙突の吸引力を高めようと保温をしたのです。また燃やし始めに室内の窓を開けることも少しでも吸引力を高めたいためです。

私は最初にこれを見た時は驚きました。放熱するところでもあり、温度管理するところです。ここに保温材を巻くなどとあり得ないことです。ほっとくわけにはいけないと「間違いだらけのストーブライフ」と題して冊子を作り多くの人に配布しました。そして今はようやくこの馬鹿げたことをストップさせることができました。

外気導入という空気の取り入れ方法も二次燃焼方式の悪影響です。以前のストーブに比べて今のストーブは室内の空気を大量にストーブに吸い込み暖房効果を下げます。そこで外気を入れることにしたいのですが、床に穴を開け床下に配管する大工事になってしまいます。将来メンテナンスも生じます。

私の周りではこの工事をしたケースはほとんどないですが、ストーブは外気導入を前提とした構造になっています。本体下にあるレバーで空気を取り入れ口の開閉を行うのですが、それがどこにあってどの程度開いているのかは目視できないのです。ですから取り入れ口やレバーに不具合が生じていてもユーザーには全く分からずコントロール不能になってしまうのです。

薪ストーブ、私の結論

薪ストーブは以前のタイプが良いのですが、今は店頭にありません。そこで私がおすすめするのが(株)ホンマ製作所のHTC-60TXです。カインズホームへ行けばその会社のカタログが置いてあります。

販売店にはこのストーブを取り付けるようお願いするのです。私はそれまでドブレーを使っていましたが5年ほど前にこれに買い替えました。ドブレーは約30万円、ホンマは約8万円でした。しかしホンマの方が格段に良いのです。

まずロストルですが、ドブレー製は穴がテーパー状で穴は上より下の方が狭いのです。このため灰がすぐにたまってしまうのです。ホンマ製は穴が逆テーパになっているので灰が詰まることは全くありません。

また、炎が直接煙突に吸い込まれないように煙突の下には天板があるのですがドブレ製はただ水平についていて取り外しができませんでした。このため煙突掃除をしたときすすはこの上にたまり除去するのに苦労しました。

一方ホンマ製の天板は炎が奥から前面の両サイドへ弧を描くように斜めに付けられているのです。しかも簡単に取り外せるので煙突掃除が楽です。

さらに空気取り入れ口の下の扉にはホンマは微調整ができるダイヤル式の装置があるのですが、ドブレーにはそれがありません。

このように、ホンマは全てでドブレーより優れています。

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